建築書ガイド#1【本を手に入れる】
3 大事なときは新刊を!
おすすめ大型新刊書店
ギャラリー系書店
《1 古本を買う》
お金のある方は新刊を買えますが、学生だとそうはいきません。僕のおすすめは古本を手に入れることです。amazon market placeでも構いませんが、今回は神保町の古書店を紹介します。定価の2割ほどで買えることも少なくありません。
それでは神保町に繰り出しましょう。
ちなみに日曜休みがデフォです。
神保町でおすすめ古書店
〈1.南洋堂書店〉
東京で建築専門書店と言えばここ。
新刊も、古書も取り扱いがとにかく多いです。
土曜日のみ三階の古書フロアがオープンしています。(三階以外にも古書はありますし、三階の本は貴重で少し価格が高めな印象。)
ちなみに土岐新による設計の建物を菊地宏さんが改修した素敵な建物。
〈2.明倫館〉
http://www.meirinkanshoten.com/
神保町随一の理工書古書店。
地下一階と店前のワゴンに建築書があります。
ワゴンのものはキズや書き込み、水カビなどによって格安になっているので、掘り出し物が多いです。
地下一階は理論書や雑誌のバックナンバーが揃っています。
〈5.小宮山書店〉
写真や美術の専門店です。
建築書もあります。
〈6.古書山翡翠@三省堂本店4階〉
実は三省堂神保町本店の4階に三省堂古書館といわれる一角があります。様々な古本屋がここに棚を持っています。
建築専門オンライン古書店、古書山翡翠もここに2つ棚があり、高確率で名著を格安で買うことができます。穴場中の穴場です。
あとTwitterの中の人が建築愛が強くて面白いのでフォローすると勉強になります。
古書山翡翠|建築の古本屋 (@kosho_yamasemi)さんをチェックしよう https://twitter.com/kosho_yamasemi?s=09
以上が神保町で建築書が買えるところです。実は建築専門ではないところの方が、破格で販売していることもありますが、建築棚があるところに行くのが無難でしょう。
毎年秋にある神田古本まつりにあわせて行くと、各店舗がワゴンを出していて、普段以上に安く買えます。
《図書館で借りる》
最もお金がかからない手段は、やはり図書館です。
大学図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/contents/bj.html
東大の場合はOpacで、学内・他大学・国会図書館などの文献を検索できます。
東大建築学科図書室は、他の建築アーカイヴに比べてもかなりの蔵書数を誇ります。また、雑誌は創刊からすべてバックナンバーがありますし、歴代の卒業制作をたどれば巨匠や有名建築家の学生時代を垣間見ることができます。
建築学科以外にも、本郷中央図書館、駒場図書館、都市工学科(地図を探すなら都市工!)、情報学環に、建築関連図書があります。日本建築史に関しては、史料編纂所、文学部3号館、東洋文化研究所を当たりましょう。
自治体の図書館
最寄りの図書館に、意外にも建築書がある場合があります。
http://www.library.metro.tokyo.jp/tabid/2137/Default.aspx
都立図書館にある約4877万冊が一度に検索できますので、是非活用しましょう。
また、どうしても見つからない時には、流通したすべての本を所蔵する国立国会図書館にいけば解決します。古地図などを調べているときにも重宝します。
《ここぞと言うときは新刊を!》
新しい本は図書館にも、古本屋にもありません。そんなときは新刊を買わざるを得ません。
また好きな建築家の新刊はどんどん買って、信仰心を表現しましょう。建築系出版を盛り上げることにも繋がります。
amazonや学内の生協で済ませてしまいがちですが、ここで品揃えの良い新刊書店をまとめます。「本とどこで出会うか」も重要です。
大型書店
〈1.青山ブックセンター本店〉
〈2.青山ブックセンター六本木店〉
表参道の本店よりもデザイン系に特化しており、営業時間も長い。
〈3.ジュンク堂書店池袋〉
ギャラリー系建築書店
〈1.Bookshop TOTO〉
乃木坂でTOTOが運営するギャラリー間の二階が書店になっています。展示のついでに。
http://www.toto.co.jp/bookshoptoto/
〈2.GAギャラリー〉
北参道。GA関連の書籍が並ぶ。展示のついでに。設計は鈴木恂
http://www.ga-ada.co.jp/japanese/ga_gallery/2015/1503-05_GAH2015/gallery_gah2015.html
〈4.ブックス アンド モダン〉
赤坂。建築系雑誌の編集者だった方が営むギャラリー付きの小さな本屋さん。文学が多いですが、建築書もあります。
http://booksandmodern.com/
〈5.ナディッフ本店〉
ギャラリーやミュージアムショップを運営するnadiffが恵比寿に構える本店。内装は長坂常さん、照明は岡安泉さん。エポキシ樹脂の床が印象的。
http://www.nadiff.com/
以上、おすすめの新刊書店です。
最初に古本をおすすめしたのは、あくまで実際に買って手元におくことで、読むモチベーションつながるからです。また名著や個人的に大事だと思う本は手元に持っていたいものです。
今回は「どう手に入れるか」を紹介しましたが、次からは「何を読むか」に踏み込んでいきます。
といってもいきなり「○○を読もう」ではなく、すでに出版されている建築系のブックガイドが何を勧めているかをまとめたいと思います。
第二回は「建築ブックガイドのブックガイド」です。